女になった海賊と大人にならない子どもたち

ロビンソン変形譚のゆくえ

女になった海賊と大人にならない子どもたち

『ロビンソン・クルーソー』と同じプロット、テーマ、状況設定の小説群を分析。児童文学史上「黄金時代」の文学と社会を考察する。

著者 水間 千恵
ジャンル 書籍  > 絵本・子どもの本  > 子どもと本
出版年月日 2009/01/01
書店発売日 2009/01/17
ISBN 9784472403828
判型・ページ数 A5・384ページ
定価 6,380円(税込)
在庫 在庫あり

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第33回 日本児童文学学会奨励賞受賞!

9世紀半ばから20世紀半ばのイギリスでは、デフォーの『ロビンソン・クルーソー』の影響のもと、同じプロット、テーマ、状況設定の小説群が数多く生み出された。本書では、「国民国家」「性」といった角度からこれらロビンソン変形譚を論じ、児童文学史上「黄金時代」の文学と社会を考察。子どもの本のイデオロギーを分析する。

序章 イギリス児童文学とロビンソン変形譚
第一章 帝国を建設する少年たち――バランタインの『さんご島』
 一 「男らしさ」のマニュアルとしてのロビンソン変形譚
 二 植民地で培われる男性性
 三 国家のイデオロギー装置と少年小説
 四 浸透する男らしさの神話と少年読者
 五 『さんご島』における少年と海賊
 六 男らしさと人間らしさの意味
第二章 華麗なる海賊ヒーロー――スティーヴンソンの『宝島』
 一 秩序と伝統からの離反
 二 歪められた男性性
 三 海賊ヒーローと作家の二面性
 四 『宝島』における男たちの世界
 五 逸脱する主体と逸脱する性
第三章 女っぽい海賊とみじめな父親――バリの『ピーター・パン』
 一 子ども部屋からの逃走
 二 ネヴァーランドとピーター・パン
 三 成人男性の憂鬱
 四 強制的異性愛体制への抵抗
 五 女性化した海賊と無性化される子ども
第四章 女海賊の異議申し立て――アーサー・ランサムの『ツバメ号とアマゾン号』
 一 引用と模倣の冒険世界
 二 アマゾン海賊の特徴と本質
 三 冒険の主体としての女性
 四 『女海賊の島』とナンシイ・ブラケット
 五 ランサム、帝国、そして女海賊
 六 女海賊が示すもの
終章 子ども部屋のロビンソン変形譚と性

引用・参考文献

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